古賀春江資料室

洋画家・古賀春江(1895-1933)のデータベースを制作中です。

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海 (一〇〇号F) 一九ニ九年

透明なる鋭い水色。藍。紫。
見透される現実。陸地は海の中にある。
辷る物体。海水。潜水艦。帆前船。
北緯五十度。

海水衣の女。物の凡てを海の魚族に縛《つな》ぐもの。
萠える新しい匂ひの海藻。

独逸最新式潜水艦の鋼鉄製室の中で、
艦長は鳩のやうな鳥を愛したかも知れない。
聴音器に突きあたる直線的な音。

モーターは廻る。廻る。
起重機の風の中の顔。
魚等は彼等の進路を図る──彼等は空虚の距離を充填するだらう──

双眼鏡を取り給へ。地球はぐるつと廻つて全景を見透される。



初出:『古賀春江画集』(1931年、第一書房)
底本:古賀春江文集『写実と空想』(中央公論美術出版)p.70-71
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