古賀春江資料室

洋画家・古賀春江(1895-1933)のデータベースを制作中です。

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美しき博覧会 (一・八五×一・二七尺) 一九二六年

薔薇色のガラスの踊り子は三角形のガラスの上に立つてゐる
頭の上の青い林檎は軽気球で
遠い水平線の上から銀の箭が空へ飛びます

大きな芍薬の紫色の中で
南洋の黒ん坊は憂鬱な踊りを踊ります

モノクルをかけたシルクハットの紳士
彼は仲々上等のアイスクリームで出来てゐます

若夏色の水が流れて
ガラスの踊り子が沈みます
それは水中の赤い金魚です

白い文明的な空間に華やかなドームが浮き
黄金の日向葵が揺れる

楽隊の音も明るい月夜
柔らかに膨らんで夢は陞《のぼ》る
脚の長い酒の罎

美しい博覧会は魔術師の光る花束です。



初出:『古賀春江画集』(1931年、第一書房)
底本:古賀春江文集『写実と空想』(中央公論美術出版)p.60-61
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