古賀春江資料室

洋画家・古賀春江(1895-1933)のデータベースを制作中です。

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船着場 (二・〇〇×一・六五尺) 一九二六年

艦から上陸した水兵がどんどん街へ団つて行く。海の向ふから来た見馴れぬ人達だ。
舗石の上の大きな跫音、匂ひのよい吸ひかけの煙草を女達の前に出す。
トントントン 発動汽船のエンヂンの音、赤い灯、青い灯、ごみの浮いた港の水がゆれて、潮の匂ひと腐つた果実のやうな匂ひ。チカチカ変るフイルムだ。
白紙の上に五色の針が降つたやうに、騒然として多彩で落ちつきなく天上へせり上つてゆく。



初出:『古賀春江画集』(1931年、第一書房)
底本:古賀春江文集『写実と空想』(中央公論美術出版)p.59
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