古賀春江資料室

洋画家・古賀春江(1895-1933)のデータベースを制作中です。

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空間の整理

無限の幅を持つた感情の襞を伸して
過去の光輝ある水夫を引き出し給へ
はげしく傾斜して辷る水中には
彼の勇敢なる喇叭もも早響かない
緩やかな南風の横縞を
ステツキの結び目にかけ
数千の波ある太陽へまで
新しい別辞を送らうとするのであるか
最端の中の空隙にあるそれは美事なガラス筒である
怒りと悲しみを拒絶する愛の表皮
敬虔なる使徒の如き彼等及び彼女等の透明なる頭蓋骨を見よ
迂回する花等の行進は 上空を馳つて
塔の上の処女等の桃色の頸を巻く
彼女等は緩やかに歌ふ
滑らかなるランプである
決して損傷されない未来の機械は
決して損傷されない飛翔法である
未来の実体よ
処女達よ
両手を扁平なる鉄板となして
純粋に完全な浮袋を作り給へ
真空の鞠も林檎の如き光輝を発散せしめるであらう

   (一九三〇)



初出:詩画集『古賀春江』(1934年9月、春鳥会)
底本:古賀春江文集『写実と空想』(中央公論美術出版)p.140-142
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  1. 2014/09/11(木) 22:32:16|
  2. | コメント:0
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