古賀春江資料室

洋画家・古賀春江(1895-1933)のデータベースを制作中です。

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深夜の風景

凡ての物音の絶えた真白な深夜の時間を見給へ
白い時間の風景を見給へ
凡ての現象が真正面に生きて
実に生き生きと躍動してゐる
その表情の美しさ

大きく光を強くした
北極星が遠い向ふ側の太陽と合図をして
海と空とが一帯になつて万象を包んでゐる
魚族と鳥類との交驩
星と樹木等の握手
いろ/\の昆虫と草叢の小さな花々との可愛い遊戯
だまつて動かずに微笑してゐる野道の小石
眠つてゐる人間や色々の動物の会話
それは真つ黒な闇の包囲の中で
表も裏も音がなく
無類の明るさと美しい色彩とに彩られて
此上もない真実を生きてゐる
深夜の風景を見給へ

   (一九三三)



初出:詩画集『古賀春江』(1934年9月、春鳥会)
底本:古賀春江文集『写実と空想』(中央公論美術出版)p.150-151
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  1. 2014/09/11(木) 22:26:56|
  2. | コメント:0
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